𓅿情緒不安定OLの備忘録 ☄︎

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Sharp Objects(シャープオブジェクツ)

サムネと、海外ドラマなのに全8話構成という気軽さに惹かれて見てみた。
平日仕事終わりに3日間で観れた。睡眠時間を削って観た。


見始めは、独特な映像の作りと素性のよく分からない主人公のWパンチで一瞬諦めそうになった。
が、見れば見るほどハマる。
テンポは良くは無いし、場面も時代もコロコロ変わるし始終ぼんやりとした場所から俯瞰しているような作風だが、何故か先が気になる。


街中の人がどこか暗く影があって全員怪しく見える。
主人公のカミールもアル中×自傷癖でものすごく危なっかしい。最早「実は主人公が犯人でした」パターンか?と思うほど。

この自傷癖によって出来た傷が身体中にあるけど、途方に暮れそうな特殊メイクだなとずっと思っていた。あんなに細かく大量に良く作れたなと。アメリカはすげぇわ。


一応相手役の刑事がバターみたいで苦手な濃い顔なのと、義妹のアマも顔の余白が広いしとにかくサッパリ可愛くなくて始終(ブスだなー)と思いながら見ることになった。


一つ疑問なのは、最初にかなり上から「取材に行け」と言った編集長が次に出てくる時は何故かすごく優しくなっていること。(これは編集長だったよな?)と疑うほど関係性が変わったように見えた。演出なのか?自分の感覚がおかしいのか。
最初の場面はただの部下と上司だったのに、街に帰り電話をする場面では親子や孫と祖父のような。
もしかすると、嫌いな場所(生まれ育った街)へ行くことにより、普段は嫌だと思う事もあるけど離れてみると優しくて一番頼れる人、だと気付いてのソレか?
あとは、街の異常な冷たさ暗さを、編集長との電話の暖かさでより際立たせているのもあると思う。





/ここからネタバレありの感想/

いつもストーリーに対して疑った目で見てかかるのに、今回は作風にも慣れない為かまんまとぬけぬけと素直に起承転結を受け入れ、
(犯人はあいつやこいつかなと思ったりしたけど、やっぱり母親だよな!)
と納得していた。そして、
(姉カミールと妹アマのその後まで見せてくれるんか〜)
と呑気に構えていた。


はー、ほんとにびっくりした。
引越し先で友達になったメイの母親からメイの行方を知らないかと訊かれるシーンで、うそやろ、と嫌な予感はした。
その後淡々と、それでいて待ってました!とでも言わんばかりにテンポ良く進む話。
予感大命中。

ドールハウスの大理石の床!よく見たら人の歯!
アマが一言「お母さんには内緒にしてね」
[END]


色んな考えが頭を巡ったが、最初に思ったのは
(ドールハウスの大理石をそんなに忠実に表現したかったんかな?)
まあ、これは絶対違う。ただの隠す場所の確保と、記念品のような役割だろう。


エンドロールに入って、、終わってなかった。
アマが子分みたいな友達と一緒に街の子2人を殺すシーン、更にメイを殺すシーンが。

エンドロール後にも一瞬、街の子を誘き出す為に妖精のような白いワンピースを着たアマが。


気持ち悪っ
色んな意味でゾワっとする。
ブスな顔が殺すときに力を入れるから余計歪んで酷いことになっていた。

大したことない理由で友達を殺すほどに、母親に歪まされて来たのか。
百歩譲ってそれは納得したとして、金魚のフンみたいな友達たちよ…何でお前ら平気で協力してるの?
自分たちが犯人だから保安官に「犯人を男と決めつけないで、女性軽視よ」って言ったんだろうね。
その後も普通に生活してるしこの街異常だわ。


母親は薄々知っていたんだろうか。
ミュンヒハウゼン症候群で、娘をわざと病気にさせ娘の為に健気に看病する自分が好き、ということは娘の為に罪を被って罰を受けることも…

義父は全部が謎すぎる。彼はこの家に来て娘を亡くし、その後ずっとずっとずっと蚊帳の外に居た、それであんな風な人になったんだろうか。
歯を抜く要員として共犯説もあるが……